6年生のみなさん・ご家族様 合格おめでとうございます。次は新6年生の受験生のみなさんとそのご家族様の番ですね。
年度初めに次の話をしておきたいと思います。 手前味噌な話で恐縮なのですが、 どうして弊塾の受験生たちはこんなにも受験に強いのだろうかと考えていました。「自分は塾生に恵まれていて強運の持ち主だ」と思う気持ちもあるのですが、客観的に以下のことがあるのではないだろうかと思うのです。
弊塾「小野算数塾」では、教育方針として【凡事徹底】をあげています。 「底なし釣瓶で井戸の水を汲んで樽に一滴一滴と貯めていく」努力を塾生とそのご家庭に求めています。 これがその強さの秘訣ではないかと思うのです。 ※子どものいない大金持ちの長者がその養子を募集した際に「一晩で底なし釣瓶で井戸の水を汲んでこの樽をいっぱいにしたものに決定する」と言うとみんな怒って帰っていってしまったが、一人だけ一晩中頑張って一滴一滴貯めた若者がいたという中国の故事による。
塾の商売繁盛を考えたら、そんな辛気臭いだるいことなど言わずに、「頑張りましょう!きっと志望校に合格できますよ!」と希望的観測で励まし続けて景気の良いことばかり口にしておけばいいのかもしれません。私のように「こんなことではこうなりますよ」などと耳に痛いことばかり言わずに、他の塾を見習って「眼をつぶってポジティブシンキング」でいけばよいのかもしれません。
選挙では、「正直に政策を言う」よりも「耳障りの良い政策を言った方が当選」するのだそうです。選挙公約なんていうのは守られない前提で争点なんていうのもあいまいなままに進んでいきます。当方は塾ですので深入りするのは差し控えますが、アメリカでは虚構を愛するメディアに宣戦布告をしているトランプ新大統領が誕生しました。いまも馬鹿正直に誠実に政策を勧めるので非難が集中しています。 グローバル化がトレンドだったのをもとに戻しているだけなのですが・・・。自分の国は自分たちで責任を持つということをやろうとしているのですね。グローバル化は、「世界は一つ」で理想的な話のように思えましたが、実は日米の企業を富ませましたが、日本やアメリカの国自体は衰退しました。※日本は特に「失われた20年」や「第二の敗戦」などご参考になさってください。
ちなみに最近小学校では、「メディアリテラシー」について授業中に考えたり議論することをしているそうです。「メディアの偏向報道」について議論しているそうです。そうした偏向報道にいかに惑わされないかと言うのがそもそもの勉強している目的であり、新聞やテレビの「嘘を見抜く力」こそが「知性」なのです。だから、小学校でそうしたことを話あって考えさせているのでしょう。
さて話をもとに戻します。 塾でも誠実に指導するとどうも悪魔のささやきのように思われ、不誠実に指導すると天使のように思われるという逆転現象が起きます。また、その場しのぎの裏技や受験テクニックでできるような錯覚を覚えさせたり、難問奇問をやって大量の宿題の海で溺れさせると「ありがたがられる」ようです。誠に不思議な世界が展開しています。
これは投機的なことやギャンブルで一山当てようというようなことと相通じるものがあると思います。かの安田財閥をつくった安田善次郎氏はその著書のなかで大金持ちになる方法として「積土成山」を挙げておられます。これには「ハッ」とさせられます。なにか「一獲千金」的な何かがあるのではないかと期待してしまっていたからです。これは勉強にも考え方として通じるものがあります。
開成や桜蔭等の合格した受験生のインタビューなんかが良くテレビで流れますが「基礎基本が大切です」などと言っているのを聞いて、「そんなことはないでしょう?もっと秘密の魔法の方法があるに違いない」とみなさんは思うのではないでしょうか? しかしこの受験生たちは誠実に答えていると思います。
私のかつての教え子で駒場東邦から東大医学部にほとんど塾に通わずに現役合格した坪山君の体験記を掲載していますが、その中で彼は「難問に固執していた間違いを小野先生から指摘されて、基礎基本を叩き込まれたが、それが中学受験の合格とその後の東大理科三類の合格にも役立ったのだ」と言っていますが「その通り」だと思います。
日々の真剣勝負の積み重ねの延長線上に入試本番はあります。 本当に強い受験生はこうした積み重ねの上に誕生します。勉強も「積土成山」と同じで、日々の「真剣勝負の積み重ね」で「井戸なし釣瓶の水を汲み一滴一滴と樽に貯めていく」凡事徹底があるからこそ受験本番に強い受験生になっていってくれているのだと思います。
今の世界のトレンドになりつつある「リアル」な流れに乗って、なんとか自分を誤魔化して合格さえすれば良いという考えや一発逆転のギャンブルを目指すのではなくて、自己をリアルに鍛え上げていきませんか?そうでないと合格したのはいいけれど、その後中学高校で大変なことが待っています。実は合格してからの中学高校での勉強こそが大変なのです。
「受験の合格」と「人生の成功」が一致するように、受験で身に付けたことがその後の中高の勉強と人生に役立つようにすること。小野算数塾はそうしたことを目指す塾です。