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小野算数塾の小野です。
「算数で合否が決まる!」とはどこの塾でもどこの学校説明会でも耳にタコができるほど聞かれることと思います。その算数の学習には秘訣があるのですが、それについては、入塾後にお伝えするとして、塾に毎日ぐらい通っていないと安心できないご家庭に次の書籍を読んでいただきたいのです。
ただ毎日塾に通って一生懸命勉強したからといっても、ある条件下では「努力逆転の法則」が発動することをご存知でしょうか。次にご紹介することをお読みいただき、ご興味を持たれたならば、その続きは是非、小野算数塾の説明会に足を運んで知ってください。
勉強する前提の部分を見落としていて、勉強以前の問題でつまずいている受験家庭をよく見かけます。年を取れば足腰が弱り体力が落ちます。そうすると、頭が弱るのです。これは、知的活動にとっていかに体力が大切であるかを物語っています。
小学生であれば、規則正しい生活、早寝早起き朝ごはんの朝型の生活が必要不可欠です。成長期の睡眠不足は脳の萎縮を生みます。大人であっても睡眠不足は万病のもとです。
小野算数塾では、「『勉強とは自分のこと』でも算数は自学自習が難しいから習いに来てください。算数は『ほんとうに算数がわかっている講師※に習わないと意味がない』」とお伝えしています。これは算数の概念形成ということと関係があるのですが、ここではそこまでは述べません。※学校教科書の学習指導要領を含む低学年の基礎の基礎、いえ、もっと言えば数の成り立ちから教えられる講師
弊塾の合格体験記には、大手塾で一番上のクラスから一番下のクラスにまで落ちた生徒が、弊塾に来て奇跡の復活を遂げた体験記が割と載っているかと思います。そうした生徒を復活させるためには、算数に対して体系的に系統だって理解していて、どこでどうつまずいているのか?それを復活させるためにはどうすればよいのか?に応えるためには、算数に対する造詣が深くないと対処できません。
さて、今回は次の書籍をご紹介いたします。受験は大変なことで苦労が伴うものですが、健全な受験、未来につながる受験、「受験の成功」と「人生の成功」が一致するようなずっと継続的に成長し続けていくような受験があるのではないか?と私はずっと追求し続けてきました。それを医学的に裏付ける書籍が出版されているためご紹介いたします。
魚は釣れたはいいが、魚の釣り方なんて習っていない!なんてことがないように、小野算数塾では魚の釣り方を徹底して指導しています。
それでは、肝心の書籍のご紹介をいたします。
◆「脳と身体を最適化せよ!」モリー・マルーフ著◆
医学部生モリー・マルーフ氏が、医学部の過酷な環境でストレスを溜め込み成績不振となった経験から、「自分自身」が成績不振の原因だと気づいたといいます。その後、研究(勉強)に研究を重ね、生活習慣を変えることで半年ほどで成績が驚くほど上がった(医学部で上位1%に入った)という実体験がオックスフォード大学での超人気授業となり、また著作としてベストセラーとなっています。
「はじめに」より転載
しかし、経験した人ならわかるように、医学部の環境は過酷極まりない、医学部生活の半ばで、私は打ちひしがれ、もがき苦しんでいた。要は、燃え尽きたのだ。
(中略)
私は早速改善に着手した。常識的な時間帯に眠り、規則的な食事を心がけ、ヨガや瞑想を取り入れ、家族と過ごす時間を増やした(後で説明するが、これらはすべて細胞レベルでエネルギーを再充電するのに役立つバイオハックだ)。
ライフスタイルを変え始めると、自分自身の変化を感じ取ることができた。よし幸せになり、成績も上がった。新たな自己養生法を着実に実践して半年ほど経ったころ、私はすっかり変貌を遂げていた。初めて受けた専門医試験は平均的なスコアだったが、二度目の試験では上位1%に入ったのだ!
クラスメートは信じられない様子で、一体何をしてこれほど劇的にスコアを上げたのかを知りたがった。
(転載おわり)
これって、まさに小野メソッドなのです。規則正しく早寝早起きで睡眠時間、塾はなるべく小野算数塾だけにしてもらって、自分たちでやる勉強時間をしっかりと確保し、運動を推奨し健康生活を送るよう指導しています。自分たちで出来る国理社は、塾になるべく頼らないよう指導しています。アウトソースに出さず国理社はお家でお家の人が関わってくださいとお願いし続けており、最近はほとんど全員がこの方針に従ってくださっています。※そもそも中学受験で国理社という知識教科は、塾や個別で成績が上がるものでもないのです。国語は知識と言えない面もあるが、漢字とことばを学習して語彙力をあげていく勉強は人から教えてもらえるものでもない。逆に他人とコミュニケーションを取りにくい小学生にとっての国語の学習は、子供が最も話をしやすい親が最適任者と言える。言語の習得は「音」が重要です。
過度に塾漬け・宿題漬けになって、家族とディスコミュニケーションになることがいかに駄目か?ということが、この著者の体験からもおわかりいただけると思います。一生懸命頑張っても疲れ果てて成績が下がるということが起こり得るのです。しかも、それは珍しいことではありません。むしろ、最近よく見かける事例なのではないでしょうか。
これを「努力逆転の法則」と言います。
勉強は自分のことだけれども算数は教えることが難易度が高くて、お家の人が教えるのは大変でしょうから、仕方がないので小野算数塾に通ってくださいということになります。
結局は、大手塾に通ってもお家でフォローせずに習いっぱなしで、塾に座りに行っているだけであれば、成績は一向に上がらないどころか下がる経験をされている方も多いのではないでしょうか。となると、豊富な講座を揃える大手塾を熱心に受講するとなると、計算すると相当な勉強時間が塾と家庭で必要になります。
「努力逆転」と言われている所以がおわかりになりますでしょうか?
これが大学受験の予備校だと、受験生は自分の受験だという自覚がはっきりありますので、どんどんと授業は出なくしていって、自分の合格にほんとうに必要な授業だけに出るようになるのです。
まだ体も心も成長していない小学生の中学受験が弱肉強食のサバイバルと言われている所以です。
◆参考書籍
上記の1冊だけが小野メソッド理論を物語っているわけではありません。次のような書籍も出ています。これらは代表的な著作ということになります。
「塾通いは最小限、睡眠たっぷりで中学受験成功&医学部まで合格!脳科学を最大限に駆使した受験戦略」
「早期教育が過熱する現代において、よかれと思った教育が、子どもを追い詰めているケースは珍しくない。脳科学の正しい知識で育てれば、メディアの煽り文句や周囲の脅しに流されず、子どものペースや性格に合った進路を見つけられる。中学受験から大学受験まで、長期的な視点で子どものポテンシャルを最大限に引き出す教育法。」
と紹介文がありますが、早期教育の危険性については私の過去のブログで訴えている通りです。
この著者のご家庭は、夫婦揃って医師であるため、レビューには「そんなご家庭で受験すれば、そりゃあ我が子も医学部に行けるでしょう?」という感想があるのですが、ほんとうにモリー・マルーフ氏の書籍やこの本のように両親とも医師でなくとも一般的な家庭でも可能です。
なぜならば、わが家のことで大変恐縮なのですが、我が子二人とも塾通いをほとんどせずに中学受験で合格をして、大学受験も同様に、国立大学の医学部に合格しています。
ですから、これは医師のご家庭だけの話ではありません。
わが家のような平凡な家庭でも、できたことなので、他のご家庭でも可能だと思います。我が子を他人に任せるよりも、ハイテクを駆使したり習い事をたくさんやらせるよりも、大切なことがあります。それは(厳しさを含む)親の愛情です。それが一番です。
愛情があるからこそ手間暇をかけれるのです。
※デジタルコンテンツがベストセラー「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン著のなかで、デジタル麻薬だと言われているのをご存知ですか?シリコンバレーの開発者が罪悪感に苛まれている話も登場します。
低学年では、特に現物と数を結びつけること、現実を抽象的な言語や数字に結びつけていって「生きた知識」「使える知識」つまり「概念形成」していかないと、それらは将来に有機的に機能しません。
受験までずっとNoデジタル、低学年では、体験>>>>>ペーパートレーニングこそ勝利の鍵です。高学年からは、小野算数塾で提唱する「思考する算数」へのメソッドをお勧めいたします。
低学年は座学に向きません。ですから、小学校の算数の授業では校庭でロープを使って円を描くのです。
ビル・ゲイツもスティーブ・ジョブズも我が子には14歳までデジタルデバイスを触らせなかったことはつとに有名な話です。
さらに、言えば母国語の獲得が小学生の間は絶対です。ギフテッドであろう人のバイリンガルを目指すことには何も言うことはありません。ただ、言語には次の2種類があることを知っておいてください。
BICS(Basic Interpersonal Communicative Skills)といわれる日常的な会話(言語)能力
CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)といわれる認知学習言語能力、簡単にいうと年齢相応の国語力のこと
ただし、当たり前ですが子を抱っこにおんぶで走っていては、子供はいつまで経っても独りで走れるようにはならないため注意が必要です。あくまでも、受験するのは本人なのですから。手間暇のかけ方にも本人の自主性を損なわないようにという注意点があります。
また、最近よく言われている「遺伝」は関係ありません。
次の著作から引用します。
【「遺伝子‐親密なる人類史‐ 下」シッダールタ・ムカジー著】
第四部「人間の正しい研究題目は人間である」
「介入しろ、介入しろ、介入しろ」より
しかしそうした特徴は複雑であり、遺伝子との関係も簡単にはわからなかった。たとえば「知能」にも遺伝子が関与している可能性はあったが、「知能」というのはむしろ遺伝子、環境、遺伝子と環境の相互作用、誘因、偶然、機会が組み合わさった結果だということは明らかだった。要するに「知能」を選択したからといって、必ずしも知能の遺伝子が選択されるわけではないということだ。「裕福さ」を選択したからといって、富を蓄えられる性質を確実に選択できるわけではないのと同じように。
(引用終わり)
これは今までいろんなご家庭を見てきて、そう思います。両親の学歴や小さい頃からの早期教育で高学歴が得られるというのは幻想です。むしろ早期教育はお勧めできません。
これまでも、ブログで訴えてきたように、脳は複雑だからこそ少しずつしか発達しませんし、ハイテクで脳は発達しません。適切な時期に適切なことをやっていくこと、受験勉強を低学年に焼き直したペーパー学習をたくさんするよりも、適切な概念形成を実体験をともなってさせてあげたほうが絶対に良いです。
デジタルな脳トレで脳は鍛えられないと科学的に結論が出ていることはアンデシュ・ハンセンの著作や他の著作でも言われています。
アナログで手間ひまかけて愛情をかけて(厳しさを含む)こそ、子どもたちは育っていきます。もちろん親の背中を見て子は育ちますから、本を読む姿だとか刻苦勉励する姿を子に見せることは言うまでもないですし、正しい日本語でコミュニケーションをして、子どもの目を見て話をすること、決してスマホやテレビやユーチューブに子どもの相手をさせないことこそが大切なのです。
私の経験からも断言できます。
※私が我が子の受験の際にものすごくつきっきりで教えたように思われるかも知れませんが、上の子の受験の際にはベネッセの編集にいたため、週に1日2時間だけ見ていただけですし、6年2学期にはもう教えていませんでした。下の子も姉と私が見てあげたのは同じ感じですが、男子ですので父親を嫌がらず6年2学期も中学になってからも教えていました。ですので、自信を持って小野メソッドをオススメできるわけなのです。