小野メソッドなら「考える」を訓練できる!

「スマホ脳」で一躍日本で有名になったスウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンという方がいます。「スマホ脳」「最強脳」「運動脳」とベストセラーが続いています。この方の本を読んでいると私が今まで経験値として持っていた考え方や判断が脳科学的に正しかったのだと確信できました。また、スタンダールは「恋愛論」で有名ですが、その中にある「ザルツブルクの結晶」が考えることと関係があります。今回はこれらのことについてご紹介しながら話をしていきたいと思います。

一躍ベストセラー作家となったアンデシュハンセンが上記著作のなかで最新の脳科学の論文等を紹介しながら、脳をどうすれば鍛えることができるのかを考察しています。この中で衝撃的な研究結果が示されています。「クロスワードパズル」を解く際には、脳の言語中枢しか働かないのだそうです。ここで、私は経験上ハッと気づいたことがあります。それは、低学年から塾で高学年の焼き直しで簡単にした問題をひたすら解いてきた子たちで成績が良い子があまりいないのです。小さい時からいろいろと勉強関係で取り組んでいたと聞くと「あーーー残念」と思ってしまいますし、その通りになり、中学受験で苦労しがちです。一方地方の田舎で育ち、小学生のころには学校の宿題を10分20分しかやらず、野山を駆け回っていた子たちが東大に行けたりします。この謎が解けたのです。松任谷由美さんの歌にある「トンボを捕ったり蓮華を編んだり」「そんな気持ちで夢をつかまえてね」はとても理にかなっている歌詞なのかな?ウサギを追ったり小鮒を釣ったり、かくれんぼしたり鬼ごっこしたり、ザリガニやバッタを捕まえたり、カブトムシやクワガタを飼ったりしていた方が、どうも脳が発達するのではないのか?幼少期には「豊かな経験」が大切だと私は普段から訴えていますが、それはどうも脳の発達にとっては、ペーパーをひたすらやるよりもずっと強くなるのだということが科学的に実証されているとわかり、自分の仮説に確信を持ちました。

野山を駆け回ることや、かくれんぼ、鬼ごっこの中で空間把握に関する脳の部位が鍛えられたり、あらゆる勉強に関する脳の関係各所の働きが活発になり、塾に通うよりも脳が発達するのです。だから、お受験に始まり、小1から塾に通いペーパー三昧プリント三昧になることが、私が「やってはいけないこと」として警鐘を鳴らしていることの論理的裏付けとなりました。もちろん、ずっと遊び惚けているだけでは、脳をはじめとした心身の発達段階からして、勉強が自動的に出来るようにはなりません。低学年でも小学校でやるような基本的な学習において概念形成をしておくことが大切です。小学校の勉強はとても大切な基礎基本となるのです。中学受験をするのであれば、4年生遅くとも5年生から座学を本格的に始めなければなりません。座学であるプリント学習と豊かな経験との関係は、どうなっているのだろう?ということですが、豊かな経験をコアな核として持っているからこそ、いろいろな知識をどんどん増やして、算数も単純なペーパー学習プリント学習でない考える勉強をしていくことで知識が結晶化して考えられるようになっていきます。ただし、コアな核の部分である「考える」ことを意識していないと、言語中枢のトレーニングだけに終わってしまい、なんら他の思考に関する脳の前頭野連合を鍛えることや、海馬を発達させ大きくすることまでには至らず、考えられない受験生となってしまいます。

低学年の概念形成が出来ていない場合に、よく聞く言葉に「あれだけ低学年の時にプリントをやったのに」「小学校受験の時にもたくさんプリントをやったのに」というのがありますが、つじつまが合います。私は忘れているだけなのだろうと思っていたのですが、脳の違う部分をトレーニングをしていただけであって、ちゃんとした脳の発達をプリントだけでは発達させられていないということがよくわかる現象です。クロスワードパズルを解くだけでは脳の言語中枢しか働いていないことは実証済みだとご紹介しました。そのレベル、いえそのレベル以下でしか脳が働いておらず、ネットワークシステムを構築するどころか刈り取りしてしまった可能性すらあります。9歳ぐらいまでは記号的暗記の時代と言って、無前提に機械的に何でも記憶することができます。理由も理屈もなくです。なので、概念形成するためには、繰り返し繰り返し粘り強く小学校ではあの薄い教科書を1年もかけて具体物や身の回りのものと結びつけながら習得していくのです。なぜ学習指導要領では、具体物から入ってブロックなどにしてから数字へとステップを踏むようになっているのかというと、こういうこうとなのです。あの薄い内容を1年かけてじっくりと取り組んでトレーニングをしていかないと脳のネットワークシステムが出来上がらないのです。なので、そうした右脳的な視覚や感覚でプリントを繰り返し解いていただけであれば、左脳で論理的に処理することとは無縁の特訓をしていただけであって、通り過ぎれば使わない記号的記憶は、きれいさっぱり体系的に廃棄されていったのでしょう。私はそう考えます。点が線ですべてつながります。

その違いは何なのでしょうか?その秘密は小野メソッドにあります。知識の結晶化については、ザルツブルクの結晶の話にてご説明いたします。

スタンダールの「恋愛論」の中に「ザルツブルクの結晶」の話が出てきます。塩を採掘する坑道に枝を置いておくと、見事な塩の結晶がついてキラキラと輝くのだそうです。枝は枝でなくなり、宝石のようにキレイになるのだそうです。これを結晶作用と言います。これは恋愛で相手を理想化して素晴らしく思えることのたとえなのですが、これは「考える」ということにおいて重要な事象を示しています。考えるためには、根拠が必要です。根拠を持って考えるためには、算数の仕組みが分かっていること、概念形成できていることが必要です。結晶化するには小枝が必要ですが、同じように核の部分が必要なのです。まずは、核の部分を徹底してつくらないと考えるという結晶は生まれないのです。

逆に、問題をただ闇雲に解きまくるとどうなるかというと、なんとなく解けていたとしても、入試本番が近づくにつれてだんだんと訳が分からなくなって、最近は学力の芯がないため学力崩壊を起こして、偏差値が急降下してしまい立て直しが効かないまま入試本番を迎えてしまったという話をよく聞くようになりました。

小野メソッドでは、まず算数の仕組みや概念を理解させるため、この核の部分を習得してもらいます。そして、それを繰り返し繰り返し自分のものとするために、いろんな問題に取り組んでもらいます。しかし、それは問題を解くことが目的ではなくて、この核の部分を習得することが目的なので、それを常に意識しながら考えることで知識が結晶化していくのです。だから、入試本番に強く入試が近づくにつれて本領を発揮して偏差値以上の得点が出来るようになって見事な知識の結晶化が見られるのです。

ところが、算数の仕組みの理解や概念形成なしにただ単に問題を解きまくって来た受験生は、脳科学の見地からすると算数に必要な左脳による論理的思考、前頭野連合で考えるということを鍛えるのではなくて、単にクロスワードパズルを解くように言語中枢や右脳で感覚的に解いている、記憶でふわっと解いているだけとなると、それは恐ろしいことに「考えない訓練」をしている訳なのです。これは恐ろしいことです。だから、秋が深まり寒くなって木枯らしが吹きすさぶころになると、昔は入学後に伸び悩むということが起こっていたのが、昨今では、それまでの学習が結晶化するどころか学力崩壊して途方に暮れる受験生が増えているという話を聞くようになりました。

低学年からプリント学習で熱心にクロスワードパズルを解くのと同様なレベルで、しこたま言語中枢だけを鍛えて脳のネットワークシステムを構築してしまって、考えない特訓をしていて土壌ができていれば尚更考えることに関連する脳のニューロン細胞の連携を刈り取りしていることになります。準備万端、考えない受験生に向けてまっしぐらです。

「考えない訓練」というのはどういうことでしょうか?脳科学の見地からご説明したいと思います。子供の脳は可塑性に富むのですが、「刈り込み」という恐ろしいシステムがあって、必要ないと判断した脳細胞同士のつながりを切り離していくのだそうです。「l(エル)」と「r(アール)」の発音を日本人は聞き分けられないといいますが、日本人の赤ちゃんは8か月までは聞き分けることができるのだそうです。1歳になるともう区別できなくなるのだそうです。※今井むつみ著「学びとは何か」ご参照

なぜ、捨てるのか?というと「日本語の音声処理を効率よくできるようなネットワークシステムを脳がつくった結果」とういことなのです。問題を効率よく解くために、根拠や概念形成なくひたすら問題を解いていませんでしょうか?これは、考えるということを捨てているのと同じことなのです。もちろん、弊塾の生徒であってもメソッドに従わずにただ単に問題を解きまくっているだけであっては、「考えない訓練」をしているのと同じになります。弊塾に通っている意味がありません。考えない訓練とは考える脳のネットワークシステムを切り捨てるシステム構築をしているということなのではないでしょうか?

つまり、脳は不要と判断した脳のネットワークはどんどん捨てて行って脳細胞同士の結びつきを切り離して捨ててしまうということなのです。なので、考えない訓練をしてしまったということは、そう単純にもとに戻ることではないのです。この考えない方のシステムがいったん出来上がってしまうと変更するのがとても大変なことなのです。脳は、こうした考えない訓練の結果、考える脳のネットワークシステムを不要と判断してどんどん破棄していくからです。このことは、知性を破壊されていて当たり前のことを当たり前に考えられなくなっている受験生たちを見ればよく分かります。毎年、私はそうした生徒たちの再生にも尽力しています。わざわざ、そうした考えないトレーニングをして、考える脳のネットワークシステムを捨ててから弊塾に来るのではなくて、低学年から豊かな体験を踏まえた学習を積んでいただいて、4年生から考えるというトレーニングをして脳の考えるネットワークシステムを作っていってほしいのです。転塾されて大変ご苦労されて課題克服に格闘されいる様子を見るにつけて、これまで語ってきたことを私は実感しています。

万が一、上記のことが当てはまっている方がいらしたらあきらめないでください。弊塾では「考える訓練」をメソッドとして確立しております。半年1年いえ1年以上かかるかもしれませんが、確実に脳の考えるネットワークシステムは再生できます。脳は可塑性に富んでいるため、時間と労力はかかりますが努力で再生できるのだそうです。ただ、それまでに積んできたマイナスがどれだけあるかによって、再構築にかかる時間や労力は人によって違いが出てくることかと思います。

ザルツブルクの坑道ならば枝をポンと置いておけば結晶化するのでしょうけれども、子供たちの考える力は相当な手間暇をかけて、塾とご家庭と受験生本人の三位一体で取り組まねばならない大事業なのです。そしてこの核の部分と、結晶化作用について、弊塾ではメソッドを確立しております。こうしたことを、私はずっと指導してきたからこそ、理系の最難関である医学部を志望した教え子が、先生に勉強の仕方まで習ったおかげで医学部進学が叶ったと言ってくれています。

みなさんも、努力の結晶化を是非小野算数塾で実体験してみませんか?

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